山形さくら町病院/かみのやま病院 広報誌
「シミ」。女性の方は、気になりますね。いわゆる「シミ」は、おおざっぱに分けると、4種類になります。
まず雀卵斑とは、ソバカスと呼ばれる、遺伝的なものです。鼻を中心に、数ミリまでの小さなシミが多発します。肝斑は、女性ホルモンのバランスの乱れが主な原因です。頬を中心に、境界がはっきりしたシミが、左右対称に出来ることが多いです。炎症性色素沈着は、ニキビなどの、炎症が出来た後に出来るシミです。
さて、老人性色素斑です。先に挙げた4種類の中では、最もポピュラーなシミです。褐色から黒褐色で、大小様々なシミが、頬を中心にみられることが多いです。いわゆる日焼けによって起こるものなので、今回はこのシミについて詳しく書きましょう。
このシミは、毎日毎日の紫外線の積み重ねで、皮膚が少しずつ変化してしまった結果と考えてよいと思います。顕微鏡で見てみると、皮膚の中でメラニンが増えているばかりでなく、表皮全体が厚くなるなど、皮膚の形自体も若干変化してしまっています。幼少時から浴びた紫外線は、皮膚の中に少しずつダメージを与え、そのダメージは少しずつ蓄積されていきます。それが、ある一定レベルを超えたとき、老人性色素斑として発生するのです。一定レベル以上からは突然あふれだすようにシミになるので、殆どの方が「突然出来た」と慌てる事が多いのです。40代ぐらいから、ひどい日焼けをした直後でなくとも、どんどんシミが出てくるようになります。それは、一定レベルを超えるのが、ちょうど40代ぐらいからだからです。尚、「美白化粧品」は、メラニンが作られる過程から沈着までを阻止するものです。ですから、完成したシミには、残念ながら効きません。これは、あくまでも「日焼けによるシミ、ソバカスを『防ぐ』」為のものであることを忘れないで下さいね。
山形さくら町病院 高畠 有理