山形さくら町病院/かみのやま病院 広報誌
ストレスとは「様々な刺激に対して、心身が状態を一定に保つために生じるはたらきや反応」であり、前回は身体のストレス反応への対処として「リラクゼーション」をご紹介しました。今回は「精神的対応」への対処方法についてご紹介いたします。
「精神的反応」をわかりやすく言えば、「感情」や「考え」です。ストレスを感じた時、私たちはどんな気持ちになるでしょう。イライラ、モヤモヤ悲しみ、しんどい…こうした反応は、実は個人差が大きいと言われます。
それはなぜか?
人間は「ストレスのきっかけとなる対象をどのように評価するか」によって、生じる反応が変わるからです。この過程を「認知的評価」と言います。例えば私たちは初めてのものを見た時、自分の経験や学習した知識をもとに判断・理解します。それと同じで、一般的にはごくありふれたものでも、本人が過去に嫌な体験をしていれば「怖い」と思うし、ストレスだって強く感じるのです。
では、この「認知的評価」への対処はどのような方法があるのでしょう。
一つは「考え方を柔らかくする」方法です。日常の何気ない場面で、「~するべき」「~しなければならない」と考えることはありませんか?一見、こうした考えは真面目でしっかりした印象を持ちますが、過剰になれば自分をがんじがらめにします。人の感情や考えには個人差があって当たり前。その「違い」に直面したとき、「人は人、自分は自分」と「柔らかい感じ」にとらえてみると、穏やかな気持ちに慣れます。
もう一つは、「自分をねぎらう」です。日本人に多い傾向として勤勉さ・我慢強さが挙げられますが、それと同時に「もっと頑張らなきゃ」と自分に厳しい人も多いそうです。もちろん頑張る気持ち自体は大切ですが特に高い目標を掲げている場合は、「どこまで頑張ってもできない」と絶望さえ感じてしまうこともあります。人間は無限ではありません。頑張るためにはエネルギーが必要です。「ここまで自分は頑張った」と、まずは自分で自分の「できたこと」に目を向け、認めてあげることが、何よりのエネルギー補給になります。
次回は最終回として「ストレスに向き合う対処方法」についてご紹介します。