山形さくら町病院/かみのやま病院 広報誌
日本の医療を取り巻く状況は大きく変わろうとしています。国は大きな目標として、入院医療から地域での医療に大きく舵取りをしようとしていることをひしひしと感じるこの頃です。
これは精神医療に限った事ではありません。医療機関は機能分化が進むでしょう。その中で上山病院はどう変わっていくべきなのか、上山市にある当院は将来、どう舵取りをするべきなのか。
報道によると山形県の人口の減少は全国でもトップレベルとのことですし、上山市は県内市のなかで人口、とりわけ若年層の減少がやはりトップレベルにあるようです。この様な現状ではありますが、当院は上山市の活性化に寄与したいと考えております。
当院は上山市民の「こころの健康」を第一に考えた質の高い精神医療を提供していく事に迷いはありません。急性期はもちろんですが、上記高齢化、及び精神疾患が慢性的に経過する病気である事を考えた場合に慢性期医療の質の向上は必須です。
まず、市民に選ばれる病院でありたい。医療の質の向上のみならず、上山市など公的機関との連携を更に強化し、情報を収集していきます。市民の皆様に対し「こころの健康」の情報の提供を積極的に行っていきます。“あいあい”の充実もその一端ですし、上山医師会、上山市、社会福祉協議会等との連携で講演会なども今まで以上に行いたい。講師も医師にとどまらず、当院には精神医療等の専門職が控えています。地域に貢献したいメンバーがグループを作っています。声をおかけください。
多くの精神疾患、とりわけ、うつ病(自殺者減少対策としても)、認知症治療(地域で支える為にも)に対するわれわれのの役割はまだまだ大きいと思います。医療の質の向上にはハード面の強化が大切です。今後、上記医療や人口動態等の情勢を冷静に分析し、新しい上山病院を作っていきたい。当院の職員は多くが市民であり、市民と共にあります。そして元気に働いております。更に精神医療に対する研鑽に勉めます。どうか市民のみなさま、上山病院がより良い病院に育つよう、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
上山病院 院長 江口 拓也