山形さくら町病院/かみのやま病院 広報誌
覚えられるものに覚えやすくする工夫をすると、より簡単に覚えられるようになります。今回はいくつかの工夫についてお話ししましょう。
皆さんは信号機を毎日見ていると思います。さて、信号機は左から赤青黄の順で並んでいるか、それとも青黄赤の順で並んでいるか、すぐ分かるでしょうか?何回も見ているのに、意外によくわからない人も多いのではないでしょうか。正解は左から青黄赤の順です。日本は左側通行なので、赤が左側にあると、歩道沿いの木や看板で赤が隠れてしまう恐れがあります。より大事な色の赤を、道路側にもってくるために、赤が右側にあるというわけです。
このように、覚えるものに何かの原理や意味をくっつけると、非常に覚えやすくなります。丸暗記する前に、色々調べてみると、勉強にもなりますし、記憶の補助にもなります。覚えるついでに調べる。ぜひお試しください。
覚えるものを少なくする工夫も大事です。たとえば、日本の県庁所在地を覚えるとします。これは、いちいち全部を覚えるより、県名と県庁所在地が違う、兵庫県(県庁所在地は神戸市)や沖縄県(県庁所在地は那覇市)など覚えて、残りの県は「県名と同じ」を覚えるほうがずっと早くなります。もちろん山形県も、県名と同じですね。このように、覚えるものに何かの法則を見つけたり、よく理解するなどして、覚えるものを減らすと、より覚えやすくなります。
あるいは、語呂合わせも有力な手段です。江戸時代と鎌倉時代では、江戸時代の方が現代に近いですし、期間も長く、現代に影響している度合いも大きいですが、鎌倉時代になった年号を知っている人の方が多いです。これは「いい国作ろう鎌倉幕府」という有名な語呂合わせがあるからです。どんどん語呂合わせを作ってみましょう。
覚えておきたいのは、覚えようとあれこれ工夫すること自体が記憶の強化に非常に役立つということです。語呂合わせが失敗作だったり、調べてもよくわからなかったりすることもあるでしょう。それでも、ただ丸暗記するよりはるかに覚えやすくなっているのです。覚えるものを覚えやすくする工夫に、どんどんトライしてみてください。
山形さくら町病院 荒川英輔