山形さくら町病院/かみのやま病院 広報誌
一般に「日焼けどめ」として販売されているサンスクリーン剤には、SPFや、PAといった表示がされています。
SPFは、UVB遮断効果の指標です。赤くなる日焼け(サンバーン)を起こすまでの時間がどれだけ延びるか、を示しています。例えばSPF20なら、何も塗らない状態に比べ、20倍赤くなりにくい、ということを示します。
PAは、黒くなる日焼け(サンタン)を起こすまでの時間を延ばす力を示します。PA+は2~4倍に、PA2+は、4~8倍に、PA3+は、8倍以上になります。ただし、紫外線防止力の強いものは、皮膚への負担も大きくなりがちです。自分にあったものを選びましょう。
また、サンスクリーン剤に、「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」と記載されているものを目にしたことがあるのではないでしょうか。
「紫外線吸収剤」は紫外線を吸収して、熱エネルギーなどに変える成分です。科学物質なので、皮膚を刺激する事があります。かぶれることもあるので、注意が必要です。「肌が弱い」人は、気をつけましょう。
「紫外線散乱剤」は、紫外線を跳ね返す成分です。酸化チタン、酸化亜鉛など、金属の粉がよく使われます。肌に優しいのですが、白浮きしやすいのが欠点です。
最後に、SPF、PA値についての意外な落とし穴をひとつ。SPF、PA値というのは、日焼け止めを皮膚1平方センチメートルあたり2ミリグラム塗った時の数値として測定されているのです。しかし、一般的に、女性が日焼け止めを塗る場合、この5分の1程度しか塗っていないといわれています。逆にいうと、普段使う量の5倍は塗らないと期待通りの効果は出ないということになります。サンスクリーン剤のSPF、PA値を過信しないようにして、正しい量を塗り、こまめに塗り直しましょう。
山形さくら町病院 高畠 有理