こころの宅配便 あいあい

からだ ストレスとの上手なおつきあい②

前回はストレスについて「様々な刺激に対して、心身が状態を一定に保つために生じるはたらきや反応」であり、「それ自体が悪いのではなく、その程度や対処によって良し悪しが変わる」というお話をしました。

今回は、具体的なストレス対処法についてご紹介します。

ストレスによって生じる反応は「身体的反応」と「精神的反応」の二つに分けられます。例えば、皆さんは「緊張」をどのように感じますか?「心臓がドキドキ」「手に汗をかく」のように、私たちの身体はストレスに対して即座にわかりやすい反応をしてくれています。

本来、こうした身体的反応の多くは自然に低減、消失します。しかし、大きなストレスに直面したリ、ストレスを感じる期間や頻度が多くなると「症状」となって様々な影響を及ぼします。そうなってしまう前に、こうした身体的反応を「ストレスサイン」として早めに対処することが、とても重要です。

身体の反応に効果的なのは、やっぱり「身体」に働きかける方法です。まずは「休息」。刺激に対する反応を減らすには、刺激が少ない、安心で静かな環境でゆっくりと休むことが必要です。そして、「リラクゼーション」。これは身体的反応を自分でコントロールし、適度に落ち着かせる(善玉ストレスの増加)のに有効な方法とされています。一番手軽な方法に「10秒呼吸法」があります。最初の1~3秒で息を吸い、4秒で一旦止め、残りの時間でゆっくりと息を吐く…このように、息を吐く時間を意図的に多くすることで、身体の無駄な力が抜けやすくなります。実施の際にはできるだけゆったりした楽な体勢をとり、自分の身体が水に漂うようなイメージを浮かべ、ゆっくり3回程度やってみてください。

また、外出が可能なら森林浴や温泉など、身体にとって「良い刺激」を与えてくれる環境に身を置くことも有効です。

ご自分の身体や環境に合った方法を見つけて、実践してみましょう。次回は「ストレスを少なくする考え方」についてご紹介します。

上山病院 臨床心理科 佐藤 仁美