こころの宅配便 あいあい

2013冬号No66

乾燥する季節の味方、保湿剤について

2013/02/15

早いもので、雪の季節になりました。秋冬は気温が下がり過ごしやすくなる一方で、温度も下がるので皮膚にとっては乾燥との戦いです。そこで威力を発揮するのが保湿剤です。

パラパラとめくっていた専門誌の中に「保湿剤の迷信」というページがありました。それだけ誤解されているところもまだある薬なのかもしれません。今回は一緒に保湿剤について考えてみましょう。

保湿剤は、成人の方には皮膚欠乏性湿疹などに、小児の方にはアトピー性皮膚炎などに多く処方される塗り薬です。文字通り、皮膚に水分を取り込み、皮膚の乾燥やバリア機能の低下を補う作用のある薬です。

「保湿剤は、皮膚の外観をよくするだけで疾患に対する有効性はない」という意見がよく聞かれます。これはもちろん誤解です。
以下、①~③でその理由を書きます。

アトピー性皮膚炎(以下AD)の症状を軽快させる。ADは、乾燥などで皮膚の表面のバリア機能が障害されているので、保湿剤により皮膚症状はよくなります。ちなみに、このバリア機能の障害を保湿剤を塗らずに放置しておくと、AD以外にも喘息などの合併症が起きやすいのです。

ADの症状再発を防止する。

皮膚へのアレルゲン浸入予防に有効である。アレルゲンとは、ダニ、ハウスダストなどがよく知られていますね。これらが皮膚に浸入しようとするのを予防してくれるということです。

「保湿剤を使用すると、皮膚自体の保湿能力が落ちてしまう」という意見もあります。しかし、これを積極的に支持している研究結果は今のところありません。

ここまで読んでいただいて、保湿剤の優れた点をご理解いただけたでしょうか。

皮膚科で処方される塗り薬の多くはステロイド剤であって、その効果も副作用も良く話題になることと思います。その陰で保湿剤は話題の中心になることも少なかったかと思われますが、ここまで書いてきたように、保湿剤は決して「ついでに処方されるもの」ではありません。

ADのバリア機能の研究が注目されて以来、保湿剤に関する優れた研究は発表され続けています。

ちなみに現在、多く処方されている保湿剤は、「皮膚保護薬」として「ワセリン」が、「尿素製剤」として「ケラチナミン」「ウレパール」、「パスヌロン」が、「ヘパリン類似物質」として「ヒルドイド」があります。恐らく、どなたもが一度は耳にしたことのある名前ばかりではないでしょうか。これらをもし処方されることがありましたら、上手に有効に使いましょう。

採れたて野菜販売

2013/02/15

12月5日(水)地域交流の一環として「就労継続支援事業所ステップアップ霞城」前にて採りたての大根や白菜を販売しました。山形さくら町病院デイケア通所の方々が丹精込めて作りました「ふきふき大根」の試食もあり、大繁盛でした。

たくさんの方々にお出でいただき、ありがとうございました。

上山病院祭り

2013/02/15

去る10月28日、上山病院祭が催されました。今年は朝からあいにくの空模様でしたが、1,000名を超える多数の方々の来場がありました。

オープニングセレモニーでは、雨のため屋内へ場所を移して利府のブラスバンド演奏が行われました。ダイナミックで迫力のある演奏に会場は大盛り上がりでした。また、御神輿も登場し会場のお祭りムードにより一層花を添えてくれました。会場では本格手打ち柳川そばや各種模擬店、くじ引き大会、健康相談、アルコールパッチテストやスタンプラリーなど様々な催し物が行われました。

そして満を持して登場の裸餅つき。威勢の良い掛け声とともに序盤、中盤、終盤と隙がなくつかれていくお餅。躍動する男たちによって堂々と掲げられるお餅。つきあがる頃には長打の列ができ、皆さまに30分ほどで手渡すことができました。

病院祭を通じて地域交流の素晴らしさを感じることができました。

上山病院 看護部 結城 辰哉

山形県うつ病診療支援モデル事業報告

2013/02/15

「山形県うつ病診療支援モデル事業」が平成24年1月から7月末まで実施された。この事業は精神科を持たない病院(みゆき会病院)に精神科の看護師1名がコーディネーターとして週3回出向き、うつ状態はじめ、認知症、統合失調症、神経症などの精神症状を呈する患者様のケアだけでなく、対応面における専門知識をみゆき会病院スタッフと連携しながら提供した。
また、月1回実施される事例検討会を江口院長とともに実質7ヶ月間という長期にわたり実施した。大変興味深い事業である半面、受け入れてもらえるのか?役割を果たせるのか?という不安と職場を週3回留守にするという罪悪感が先行し、これが原因で自分がうつ病になったらどうしましょう?と思いながら開始日の1月6日を迎えた。
この日は記録的な大雪となり、ご近所のみゆき会病院がとても遠く感じたが、スタッフの受け入れも良好で、初日からスムーズに事業へ取り組むことができた。配置病棟は回復期リハビリ病棟で脳卒中はじめ骨折の患者様などリハビリを必要とする患者様で構成された病棟です。どの様な疾患であれリハビリには苦痛を伴い、身体的な苦痛だけでなく精神的な苦痛も将来への不安をはじめ図り得ないものです。このことは多大なストレスの原因となり、器質的な問題と併せ、抑うつや焦燥など精神症状に苦しむ患者様が多い印象を受けました。事業期間内では15名の患者様の紹介を受けてみゆき会病院の医師、看護師、作業療法士、言語療法士、栄養士、MSWと連携し無事に事業を終えることができた。

事業は7月末で終了となりましたが。多くの患者様と出会えたこと、みゆき会病院のスタッフとの連携を含め、私自身も大変実りある充実した時間を送ることができた。一般病棟にもうつ症状をはじめ、精神症状に悩まされている患者様がおり、うつ病診療支援モデル事業が継続される必要性を肌で感じた。継続するには人員の問題はじめ、診療報酬に反映されないなど問題が山積みです。またみゆき会病院だけでなく地域全体へうつ病をはじめ精神疾患の理解が深まるよう病院内外へ発信していければ幸いです。

最後に、今事業において多くの支援をしてくださった関係諸機関の方々、事業とはいえ自分の抜けた穴をサポートし、快く引き受けてくださった職場の皆様に感謝の気持ちを申し上げます。

上山病院 看護部 斯波 一義

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